映画やCM、MVと多岐にわたって活躍するムービーカメラマン”小林基己”のブログ
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5D MarkⅡ使ってみました!
ここんとこ続けて2回EOS 5DmarkⅡで撮影する機会に恵まれた。もちろん動画ですけどね。
映像配信サイトのオープニング用映像と某CMである。
結論から言うと「ビビった!」。自分でもD90を持っていて、それで撮影する機会も何回かあったのだが、Nikon派の俺としては認めたくない事実なのだが、D90に比べると5Dは圧倒的に奇麗だった。
マジ、ビビった!
(動画だけの話ですよ)

5D+zoom
5DにCanon製70-200mmのズームレンズを付けたもの

実は最近まで、5Dは露出がオートしか効かないし、絞りを固定するとしたらNikonやCONTAXのマニュアルレンズを使うしか方法が無かったのだが、最近のファームウェアのアップデートでマニュアル操作でシャッターや絞りの調整が出来るようになってしまったのだ!
ここぞとばかりにミュージックビデオやCMに引っ張りだこである。
何しろ、先日撮ったオープニングの映像が評判良かったらしく、その制作会社ではREDで予定していた作品も軒並み5Dに変わってしまったという噂…。
低コストだから、小型だからというメリットもあるが、やはり皆がこぞって使うのは歴然とした画質の違いだろう。やはり、フル35mmの被写界深度は開放で使わなくとも十分に奥行きを味わえる。

ただ、改善すべき点もまだ多い。
巷で言われているCMOSの走査速度の遅さから横に流れるもの(パンや横移動撮影、走り抜ける車など)が斜めに歪むのである。これはD90よりも少しはマシだが、明らかに認識出来るレベルである。
もう一つは、HDMIから変換してSDI-HDでモニタリングした時にRECを始めてから数秒間、映像が表示出来ないという現象だ。ただ、これはロットによって1~4秒と様々である。当たりのボディだと良いが、4秒かかるボディに遭遇する率が高い。RECはされているのだがモニタリング出来ないため、事実上、ビデオテープのプリロールを待っているような感覚である。
しかもREC中はSD映像になってしまうのも考えものだ。フォーカスをレンズに付いているメモリによって会わせる事が困難なAFレンズにとってSDの画像でフォーカスを送るのは難しい。REC中でもHDのまま映像を出す方法が見つかると良いのだが…。
最後にはレンズだ。スチール用のレンズはフォーカスを合わせるのが困難な上に、この浅い被写界深度。ズームも滑らかな動きは望めない。
Canonがムービー用のレンズを作ってくれれば良いのだが、そう世の中も甘く無いだろう。他のサードパーティーが頑張って作ってもらえると嬉しいのだが…。

5D+28mm
特製ステーに固定しスライドベースを利用出来るようにした場合

さて、厳しい事も書いてしまったが、それもこれもEOS-5Dに期待するところが大きいからである。あ、そうそう。「ハイスピード撮影が出来るように…」なんて贅沢な事は言わないので、せめて24P撮影が出来ると嬉しいのになあ。

ちなみに「スラムドック$ミリオネア」の一部がEOS-5Dで撮影されたという噂が立っているが、どうも5Dとは限らないらしい。一部をCanon製のデジタルスチルカメラで撮影した、と来日時に監督が言っていた事から、5Dではないかと言う憶測が事実のように語られてしまったことが発端らしい。

ともかく近日中にEOS-5D MarkⅡを購入していることだろう。
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RED使ってみました!
今更、と思われるかもしれませんが、先日「RED」を初めて使用してみました。
某航空会社のCMでTV-CMよりもスタジアムイベントで流れる巨大映像がメインだと言う…。これも公開決まったら詳細アップします。
さて、今やCMもミュージックビデオもRED花盛り!F35に関してはかなり先取り感があった自分だが、REDについてはなかなか使う機会に恵まれず、ちょっと乗り遅れた感じだったので、心配もありつつ興味津々!情報だけでは分かりづらい、使ってみて初めて分かる良い点と問題点が浮き彫りにされた撮影だった。
RED ONE

まず、4K、3K、2Kそれぞれの撮影モードが用意されているのだが、4Kで撮影出来るのは30fpsまで、最高スピードの120fpsを実現するためには画質を2Kまで下げなければならない。ただ、解像度が落ちるだけならまだ良いが、CMOSの使用範囲が小さくなるのが頂けない。
4Kで撮る場合はムービー35mmと同じ画角なのだが、2Kになった時点で文字通り縦横ともに1/2のサイズになってしまうのだ。さしずめ35mmと16mmが同じカメラの中に入っているようなものである。つまり4Kでワイド20mm相当の画を2Kで再現しようとしたら10mmのレンズが必要になってくる。当然、被写界深度も通常の2/3インチのCCDカメラ(シネアルタやバリカムのような)と変わらないくらい深くなりREDの利点となる35mm並みのフォーカスの浅さは望めなくなってしまうのである。
これは事前に聞いて分かってはいたものの、実際、目の前にするとその差に愕然とした。言われてみれば、確かにデジタルズームと一緒だもんね。
当初、打ち合わせ段階でワイドが必要なのは30fpsで、120fpsを使うのは望遠に絞られるということだったので、Optimoの17-80mmをメインレンズに考えていた。でも、ハイスピードで撮れる時は同録以外ならコマは多い方が良いと考えるのがディレクターの常。2Kの17mmは35mmフィルムに換算すると34mmぐらいのレンズにしかならず、もうちょっとワイドが欲しくなってしまう。スーパー16mm用のワイドズームレンズを予備に入れておく方が懸命だったと反省することしきり…。

反対に自分にとって良かった点は、通常のビデオ撮影のように撮影時に画調をコントロールするわけではなく、いわゆる写真のRAWデータのようなラティチュードやカラースペースの広い画で収録しておき、PCにデータを取込んだあとに色調整する方式である。通常フィルムで撮影する場合に近く、撮影時には照明のバランスと構図に徹することが出来、カメラ単体で移動出来る分、ロケなどでは機動力を持つだろう。
ただ、これも現場で完成形まで決め込みたい場合には、ハードディスクをPCに繋ぎかえとりあえず1枚レンダリングして画調を見て、撮影している最中にレンダリングをかけるという手間を強いられてしまい、ビデオと同じスタンスで撮影する場合はかえって時間を消費してしまう。

当初、聞いていた低周波で出るドロップノイズは、激しい音楽などではなかったので出ることは無かった。(これもハードディスクではなくRAMにすることで解決するらしい)

しかし、まだまだ使い込まなければ完全な評価はしきれないと思う異色カメラなことは確か…。ちょっと欲しくなってしまう値段だし…。

D90でライブ撮影「渚ようこビックショー」
とうとう、明日から40日間という長丁場のドラマ撮影に入ります。そんなおり、6/24に「渚ようこ・ビッグショー~華麗なる賭け~」を渋谷O-Eastに見に行ってきました。「来るからには撮ってよ。」という友人の誘いにまんまと乗せられ、せっかく撮るなら、先日、おのまきこPV撮影にも使っているNikonのD90がライブ撮影にも使えるか試してみました。
nagisa

使ったのはNikonの85mm f1.8とSIGMAの18-50mm f2.8、18-200mm f3.5-5.6の3本のラインナップ。最初はいろいろ使い分けていたけど、最終的には使い勝手の良い。18-200で押し通しちゃったね。
明るさは申し分無いくらいに感度があるんで、f5.6でも照明が点いている時は問題ない感じでした。ただ、ライブビューのみでしか撮影出来ないため、かなり体勢がキツくなる。俺が自分でCM撮影したSONYα350のように上下にチルト出来ると観客に対して目立たない体勢になったり、中腰で長時間いる必要がなくなるから良いんだけど…。一脚を用意してもらったんで助かったけど、それが無ければ大変でしたね。そうそう、特にD90は、激しい動きには走査スピードの遅さから画面が歪むことがあるので要注意です!

あと、PV撮影時には問題にならなかったけど、ちょっとだけ危惧していた熱問題の所為なのか、ライブ終盤になってライブビュー機能が30秒しか持たなくなったりしたんです。収録は5分まで可能なのにライブビューのカウントダウンが始まってしまって、2分しか撮れないということもありました。バッテリーを外したりして、ちょっと放っとくと戻ったりするのですが、また続けて撮影していると同じような症状が出ます。
あと、ビデオレンズと違ってバックフォーカスを合わせる機能が付いていないので、最望遠でピントをとっても、ちょっと引くと暈けてしまうと言う現象も痛感しました。確かにライブにはちょっと向かないところも多い動画機能かもしれないけど、感度が良いことと、シフトレンズなどを使って狙いの変わったアプローチをすることで、急に魅力を増すカメラかも知れません。
台数を揃えやすいのも魅力かな?
また、機会がある毎にいろんな場面で試してみたいと思っています。

あ、そういえば、打ち上げで写真家、森山大道と沢渡朔が話していた。巨匠2ショットですよ。森山大道さんは渚さんの写真を良く撮ってるんで、来てるとは思ってたけど沢渡さんまで・・・
「最近は液晶見ながら写真撮るようになっちゃったんだね。」とか言われたらヤダなぁ…

Nikon デジタル一眼レフカメラ D90
渚ようこ 魅力のすべて BEST 1996-2008




F35 vs F900
先日、某TVドラマの撮影のためのカメラテスト。
今回のこのドラマ、2時間枠(予定)にも関わらず、撮影期間40日間、全編SONYのデジタルシネカメラF35で撮影するという異例の大胆な企画。
しかし!クランクイン2週間前になって監督が「やっぱり常時2カメ体制で行きたい!」と所望。
アクションシーンなどもあることから、F900を2カメ用に用意しているのだが、それは、あくまでも緊急用であって芝居の切り返しなどに使おうと思っていたものではない。もちろん無理してF35に登場してもらっているわけなので、それを2台なんて到底あり得ない!(レンタル料だけ単純に計算するとF35はF900の4倍の価格がするのだ!レンズなども含めると雲泥の差になってしまう。)
そこで、当初予定していたカメラテストは突然「F35vsF900」と言う様相を呈するわけだ。
以前「天国はまだ遠く」と言う映画でF35を使用していて画質の美しさは重々承知しているつもりだった。(一応、F35で撮影された世界で最初の長編映画なのだ!)そこで、最近は「F900で撮るくらいだったらEX3で良いよ。」なんて言って毛嫌いしていたF900が、どれだけ頑張ってくれるのかが今回のテストの焦点である。

F35 vs F900
手前がF35にOptimoのショートズーム。奥がF900。レンズはCanonHJ22。

そして結果は…?
S-LogというF35と同じガンマカーブをインストールしたF900は色見に関しては、かなりF35に匹敵するものを見せていた。しかしだ、やっぱりイメージサークルの大きさはここまで画調に影響するものなのかと改めて感じされた。
同じ画角で比較する場合、F35だと約28mm (アンゼニュ・オプティモ)、F900で10mm (フジノン・シネスーパー)になる。どちらも開放で撮影。F35はこの標準やや広角よりの画でも、被写体が浮き立つように周りが暈けるのに対して、F900は殆どパンフォーカスに近い画を提示してくる。これが、80mm(F900で32mm)の望遠よりの画もその違いは歴然と分かる。
F35に約2~3段の絞りを加えるとF900と近い被写界深度になる。つまり、F900をf2.0で撮影している時にF35はf4.0~5.6で撮影すれば、似ている画が撮れると言うわけだ…。
でも、これは後ろ向きの発想である。パンフォーカス好きの監督ならいざ知らず、ドラマを表現しようとする時にフォーカスをどこに置くかということは重要なファクターを占めるのだ。画角と同じ位に被写界深度に関しては慎重になるべきだろう。
そんなことをふまえつつ、屋外でもテストしたところ、管理された照明下以上に歴然とした違いが出てきた。やはり、ビデオに比べてフィルムの方が、ラティチュード(再現できる露光の範囲)が広い。ビデオから進化したF900とフィルムカメラを再現しようとしたF35のコンセプトの違いからか、同じようなコントラストで再現されているにも関わらず、暗部や明るい部分に入ってくるノイズがF900の方が断然に多いのである。F35はいわば「無理をしていない画」に感じる。

本来このテストは、2カメにするならF900にシネレンズ、F35を選びたいなら1カメ基本でサブに普通のHDレンズのF900。のどちらかの選択肢を選ぼうということだった。結果的にはかなり選びにくい状況になった。監督も2カメの使い勝手と画質、両方を天秤にかけきれない様子。最終的にはF35とF900の2カメでメインの画をF35、望遠のヌキの画をF900、という現場の割り振りになりそうだ。現場スタッフの負担が一番大きい結果となってしまった。
もう、40日間やり抜くしか無いね。
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