映画やCM、MVと多岐にわたって活躍するムービーカメラマン”小林基己”のブログ
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F35 vs F900
先日、某TVドラマの撮影のためのカメラテスト。
今回のこのドラマ、2時間枠(予定)にも関わらず、撮影期間40日間、全編SONYのデジタルシネカメラF35で撮影するという異例の大胆な企画。
しかし!クランクイン2週間前になって監督が「やっぱり常時2カメ体制で行きたい!」と所望。
アクションシーンなどもあることから、F900を2カメ用に用意しているのだが、それは、あくまでも緊急用であって芝居の切り返しなどに使おうと思っていたものではない。もちろん無理してF35に登場してもらっているわけなので、それを2台なんて到底あり得ない!(レンタル料だけ単純に計算するとF35はF900の4倍の価格がするのだ!レンズなども含めると雲泥の差になってしまう。)
そこで、当初予定していたカメラテストは突然「F35vsF900」と言う様相を呈するわけだ。
以前「天国はまだ遠く」と言う映画でF35を使用していて画質の美しさは重々承知しているつもりだった。(一応、F35で撮影された世界で最初の長編映画なのだ!)そこで、最近は「F900で撮るくらいだったらEX3で良いよ。」なんて言って毛嫌いしていたF900が、どれだけ頑張ってくれるのかが今回のテストの焦点である。

F35 vs F900
手前がF35にOptimoのショートズーム。奥がF900。レンズはCanonHJ22。

そして結果は…?
S-LogというF35と同じガンマカーブをインストールしたF900は色見に関しては、かなりF35に匹敵するものを見せていた。しかしだ、やっぱりイメージサークルの大きさはここまで画調に影響するものなのかと改めて感じされた。
同じ画角で比較する場合、F35だと約28mm (アンゼニュ・オプティモ)、F900で10mm (フジノン・シネスーパー)になる。どちらも開放で撮影。F35はこの標準やや広角よりの画でも、被写体が浮き立つように周りが暈けるのに対して、F900は殆どパンフォーカスに近い画を提示してくる。これが、80mm(F900で32mm)の望遠よりの画もその違いは歴然と分かる。
F35に約2~3段の絞りを加えるとF900と近い被写界深度になる。つまり、F900をf2.0で撮影している時にF35はf4.0~5.6で撮影すれば、似ている画が撮れると言うわけだ…。
でも、これは後ろ向きの発想である。パンフォーカス好きの監督ならいざ知らず、ドラマを表現しようとする時にフォーカスをどこに置くかということは重要なファクターを占めるのだ。画角と同じ位に被写界深度に関しては慎重になるべきだろう。
そんなことをふまえつつ、屋外でもテストしたところ、管理された照明下以上に歴然とした違いが出てきた。やはり、ビデオに比べてフィルムの方が、ラティチュード(再現できる露光の範囲)が広い。ビデオから進化したF900とフィルムカメラを再現しようとしたF35のコンセプトの違いからか、同じようなコントラストで再現されているにも関わらず、暗部や明るい部分に入ってくるノイズがF900の方が断然に多いのである。F35はいわば「無理をしていない画」に感じる。

本来このテストは、2カメにするならF900にシネレンズ、F35を選びたいなら1カメ基本でサブに普通のHDレンズのF900。のどちらかの選択肢を選ぼうということだった。結果的にはかなり選びにくい状況になった。監督も2カメの使い勝手と画質、両方を天秤にかけきれない様子。最終的にはF35とF900の2カメでメインの画をF35、望遠のヌキの画をF900、という現場の割り振りになりそうだ。現場スタッフの負担が一番大きい結果となってしまった。
もう、40日間やり抜くしか無いね。

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