映画やCM、MVと多岐にわたって活躍するムービーカメラマン”小林基己”のブログ
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「天国はまだ遠く」 DVD発売!
去年の11月に公開した「天国はまだ遠く」のDVDが5/29に発売になりました。加藤ローサ、徳井義実主演、瀬尾まいこ原作の長澤雅彦監督作品である。
自分にとって長編映画三作目で長澤監督とも2回目の組み合わせという事もあって、やっとリラックスした状況で撮影する事が出来た作品である。



この作品、世界で初めてSONYのF35というHDカメラで撮影された作品なのである。(上映は残念な事に「天国…」撮影終了後にクランクインした「デトロイト・メタルイ・シティ」の方が先に公開されている。)今やCMに映画に引っ張りだこのF35を長編で初めて使えるという事は光栄であると同時に多少不安な部分もあったが、オムニバスジャパンのDLP試写室で見たラッシュ映像の美しさには圧倒された。フィルムにはフィルムの美しさがあるが、F35はそれとはまた違う情報量の多さや色彩の豊かさを持っている。
最近REDで撮影する事も多いが、ワークフローを含めて画像の美しさでは圧倒的にF35に軍配が上がると私は思っている。(何しろコストもREDの数倍かかるわけだから、そうでなくちゃ困るんだけどね。)
今までの自分なら、ビデオで撮影した上映作品なら、上映用のフィルムをテレシネという作業でビデオに戻してDVDにしてもらうという方法を好んでいた。(これはビデオの生々しさをフィルムのする事で質感が良くなるからである)でも、こと「天国…」にいたってはF35で撮影されたオリジナルの素材が美し過ぎて、監督と相談した上でHDの完成バージョンをそのままDVDに落とすことに決定した。

本当ならブルーレイとかで見て欲しいのだが、残念な事にブルーレイバージョンはまだ存在していない。是非、レンタルでも良いので、この美しさを体感して欲しい。

天国はまだ遠く [DVD]天国はまだ遠く [DVD]
(2009/05/29)
加藤ローサ/徳井義実

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GWは映画三昧
このGWは、広告不況の煽りを受けて久しぶりにゆっくりさせていただきました。珍しく劇場で映画5本見てしまったくらいです。

まず、「バーン・アフター・リーディング」。コーエン兄弟の作品でも「未来は今」が一番好きと言う私にとって楽しみなスラップスティック映画。常識では考えにくいほどの荒唐無稽さは「え?」と思う所多数。でも、これ役者は楽しいだろうね。あと、現場の雰囲気も良さそう。面白いカットが撮れてると、つい安心しちゃって全貌が見えなくなる。コーエン兄弟に限って、そんなことは無さそうだけど、風呂敷を広げすぎてしまって仕舞い方が雑なのは気になった。

そして、三軒茶屋の二番館で今更「ノン子36歳(家事手伝い)」「おくりびと」を続けて見る。この2作品、かなり対照的…。何が対照的かというと女性の描き方に尽きる。
坂井真紀演じる「ノン子…」が女性心理をリアルに表してるのに対して、「おくりびと」に出てくる奥さん役の広末涼子は男性の理想である。ファンタジーなのだ。それがストーリー上、必要な時だけ夫に大して寛容でなくなる。良い作品なのだが感情の辻褄が追えなくなると急に興ざめしてしまうのだ。「おくりびと」が女性と男性で全く評価が異なるというのも頷ける。海外で評価が高いのは、もしや日本の女性は時代劇の頃と変わらない淑やかなままだと信じられているのだろうか?もしくは映画の世界はまだまだ男社会なのか?
自分も男なんで、本来、女性がどう思っているかは分からないけど、どちらが好きかと聞かれれば「ノン子36歳」かな…。
そうそう、「おくりびと」の広末涼子と同じような印象を受けた映画があった。「アイデン&ティティ」の麻生久美子だ。この映画も確か男性の評判は高く、女性の評判は低かった。

そして、「グラントリノ」を見たあとに「レッド・クリフ2」。
「グラントリノ」は劇場で見て良かった。けして面白い台詞を言ってるわけではないのに、構成で観客の笑いを引っ張りだしている。上手い!ただ、社会問題を扱っているように見えて、それは単なるフレーバーに過ぎなく、基本、ダーティ・ハリーの延長線上に位置すると見た方が良い。知り合いの監督も書いていたが、そう思わないと悪役がステレオタイプ過ぎる。イーストウッドは、現代社会の問題点を浮き彫りにするなんてことが目的じゃないんだろうね。
で、「レッド・クリフ2」。ジョン・ウー好きの俺としてはかなり楽しめる作品に仕上がってました。登場人物の行動にむちゃくちゃなところはあるけど、そういうところが無いと娯楽として楽しく無いからね。

う~ん、娯楽と主張、そのバランスを考えさせられたGWでした。
仕上げ三昧
今日は、試写、テレシネ、試写と仕上げ3連発の日でした。
まずは五反田イマジカで今年秋公開予定の映画「パンドラの匣」のフィルムテストの結果をチェックし、赤坂のオムニバスジャパンで一昨日撮影したCMのテレシネ。「テレシネ」とは別名「F to V」とも言って35mmフィルムで撮影された素材をビデオに変換する作業。この作業で明るさや色合いなどかなり細かいレベルで調整し、編集に持っていくわけです。
その後、また五反田イマジカに戻り「パンドラの匣」のラフな編集バージョンを鑑賞。
断言します!面白いです!
まだまだ、編集や音の作業はこれからですが、面白いものになる手応えは十分感じられました。しかし、油断してはいけない!「パビリオン山椒魚」「コンナオトナノオンナノコ」等の富永監督のこと、観客に「?」を植え付けるような仕上げをするに違いない。

とりあえず、現時点ではトップページしか出来ていない「パンドラの匣」のサイト。
パンドの匣サイト
http://pandoranohako.com/
明日はこの映画のカラコレ作業。カラーコレクションの略で、いわゆるルックと言われる画調を整える作業で、「パンドラの匣」に関しては、かなり普通の映画とは一線をかくしたルックになると思われます。乞うご期待!

パンドラの匣 (新潮文庫)
探求 太宰治―「パンドラの匣」のルーツ 木村庄助日誌


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